令和2年度(9月期)卒業生、修了生への学長式辞
卒業生 修了生 各位
このたび学士,修士及び博士の学位を授与された皆さん,佐賀大学を代表して心からお祝いを申し上げます。
特に留学生の皆さんは,母国を遠く離れ,言葉や習慣の異なる困難な環境の中でも真摯に勉学に励み,見事学位を取得されたことに深く敬意を表します。また,これまで皆さんを多方面で支えてこられたご家族の皆様にも,お祝いとお礼を申し上げます。
さて,既に発表しましたとおり,新型コロナウイルスの影響を考慮し,本日挙行予定の学位記授与式を中止することを決定しました。友人や家族と喜びを分かち合い,大学生活の節目を共に祝福したかったと思いますが,皆さんの健康面,安全面を考慮し,感染リスクを回避するため,何卒ご理解を頂きたいと思います。
皆さんがこれから出てゆく社会は,第4次産業革命とも言われる,AI,ビッグデータ,Internet of Things(IoT),ロボティクス等の技術革新,それら技術の高度化による資源の流動化とグローバリズムの進展,人生100年時代の到来と地方創生に向けた動きの加速,SDGsに根差した新たな価値観や行動の変化等,予測困難な時代といわれる大きな変革の中にあります。
そういった社会の中で,皆さんにはきっとこれまでになかったような仕事が待っています。時代に合わせて,変化し,ますますの成長を求められることでしょう。その時は,自身の変化を恐れず,過去の先人達が様々な苦難を乗り越えてきたように,勇気を持って歩を進めてほしいと思います。
皆さんが佐賀大学で培った学ぶ力は,一人一人の心身にしっかりと蓄えられています。本学で学んだことや経験は,予測困難な時代で新たな課題に直面したときに,それを解決に導いてくれることは間違いありません。
皆さんには本学での学びを糧に,変化し続ける社会の中でも冷静に物事の本質を捉え,それぞれの進路で活躍することを期待しています。
結びに,大学生活を共に過ごした同輩・恩師との絆は,生涯を通じて皆さんの支えとなるでしょう。それはこれから先の様々な場面で,どんな逆境に立たされても皆さんの大切な拠り所となるかけがえのないものです。これからも人と人との絆を大切にしてほしいと思います。
学生生活を通して成長した自分自身を信じて,自らの目標に向かって研鑽し続けることを祈念致します。
令和 2年 9月30日
国立大学法人佐賀大学長 兒 玉 浩 明