令和4年度(9月期)学位記授与式 式辞
このたび学士,修士及び博士の学位を授与された皆さん,佐賀大学を代表して心からお祝いを申し上げます。
特に留学生の皆さんは,母国を遠く離れ,言葉や習慣の異なる困難な環境の中でも真摯に勉学に励み,見事学位を取得されたことに深く敬意を表します。また,これまで皆さんを多方面で支えてこられたご家族の皆様にも,お祝いを申し上げます。
皆さんがこれから出てゆく社会は,デジタルトランスフォーメーション(DX)といった科学技術,特にデジタルサイエンスの目覚ましい発展とともに,SDGs,カーボンニュートラルの実現に向けたグリーントランスフォーメーション(GX),新型コロナウイルス感染症の流行を契機としたニューノーマル時代の到来といったものを背景として,生活様式や行動様式に著しい変化が生じる,予測困難な時代を迎えようとしています。
皆さんにはこれからの時代に合わせて,変化し,ますます成長することが求められるでしょう。時に大変困難な状況に直面することもあるかと思います。そのような時は,目の前の仕事や課題などの やるべき一つ一つのことに懸命に取り組むことの大切さを改めて思い出してほしいと思います。日々の努力の積み重ねが,皆さんの成長となり,未来への新たな道を切り拓いていってくれます。
そして,これからの成長を自分のためだけではなく,周りの人達へも向け,今以上に強く,優しい人間になって下さい。
また,皆さんは,コロナ禍という,これまでに経験したことのない状況の中で大学生活を送られてきました。大学での授業を遠隔で受講するなど,日常生活が大きく変わり,皆さんも全てが手探りの状況の中で不安に感じていたのではないでしょうか。しかし,コロナ禍の苦しい時期を経験したことは,皆さんの人間的な強さに繋がり,他人の気持ちを理解し,思いやる上で,とても貴重なものになると思います。この経験をこれからの人生に活かして下さい。
皆さんが佐賀大学で培った力は,一人一人の心身にしっかりと蓄えられています。本学での学びを糧に,自らの目標に向かって歩み続け,それぞれの進路で活躍することを祈念して学位授与の式辞とします。
令和4年9月22日
国立大学法人佐賀大学長 兒玉 浩明