令和5年度(9月期)学位記授与式 式辞
このたび学士、修士及び博士の学位を授与された皆さん、佐賀大学を代表して心からお祝いを申し上げます。
特に留学生の皆さんは、母国を遠く離れ、言葉や習慣の異なる困難な環境の中でも真摯に勉学に励み、見事学位を取得されたことに深く敬意を表します。
そして、今日この日を迎えるに当たり、卒業生、修了生を物心両面から支えてこられたご家族の皆様、同窓会をはじめ、ご支援いただいた全ての皆様に、佐賀大学の教職員一同、心からお祝いとお礼を申し上げます。
さて、社会は、我々の想定を超えるスピードで大きく変わろうとしています。SDGs、カーボンニュートラルの実現に向けたグリーントランスフォーメーション(GX)、そして生成AIに代表されるデジタルサイエンスの目覚ましい発展など、人間が果たすべき役割が根本的に変わってしまうような時代の転換期に差し掛かり、正に予測困難な時代を迎えようとしています。
皆さんにはこれからの時代に合わせて、変化し、ますます成長することが求められていくことでしょう。しかし、皆さんを取り巻く環境が大きく変わっていっても、「目の前のやるべきことに対してがむしゃらに取り組む」という、本質的にやるべきこと、求められることは、何も変わりません。誠実な人間性を基本としつつ、自分の目の前にある仕事や課題の一つ一つに真摯に向き合い、努力を続けて下さい。時には挫折や困難を経験することがあるかもしれませんが、前に向かって努力を続けることで、周囲の共感や協力が生まれ、少しずつかもしれませんが困難な状況をも好転させてくれます。日々の努力の積み重ねが、皆さんの成長となり、未来への新たな道を切り拓いていってくれます。
そして、これからの成長は自分のためだけではなく、周りの人達へも向けることで、今以上に強く、優しい人間になって下さい。人間的な真の強さ、優しさとは、他人の気持ちを理解し、思いやり、自分がこれまでに助けてもらってきたように、自らも他人に手を差し伸べ、支え合って生きていくことだと思っています。
最後に、佐賀大学で培った力、得られた経験、友人、恩師や職員との出会いと繋がりは皆さんにとって、かけがえのない財産です。自信を持って、自らが信じた未来に向かって、大きな歩みを進めて下さい。本学での学びを糧に、自らの目標に向かって歩み続け、それぞれの進路で活躍することを祈念して学位授与の式辞とします。
令和5年9月22日
国立大学法人佐賀大学長 兒玉 浩明